小中学校の学校司書(学校図書館担当職員)に対し、平成24年度から新たに地方交付税措置が講じられることになります。これまで学校司書に対する国の財政措置はなく、個々の市町村の判断のみで人件費を負担していました。今回の地方交付税措置は、画期的な新規施策といえるでしょう。
学校図書館の活用には、人の配置が欠かせません。学校司書は、本の貸し出しのほか、図書館のレイアウトの工夫や子どもたちへの読み聞かせといった職務を担います。学校図書館に司書が配置されているかどうかで、読書活動の質と量が左右されるのが実態です。
国の財政措置がなかったにもかかわらず、意欲ある自治体の努力により学校司書を置く学校は増え続けてきました。全国の小学校のうち44.8%、中学校では45.2%の学校に司書が配置されるまでになり(平成22年度)、学校司書配置のニーズが高まっている状況がうかがえます。
総務省は「学校図書館担当職員の配置に要する経費について、地方交付税措置を講じることとしている」と発表しました(1月25日付け総務省事務連絡「平成24年度の地方財政の見通し・予算編成上の留意事項等について」)。
国としても学校司書の配置をさらに促すため、人件費に対する財政措置を設けることにしたと考えられます。
また、同じく総務省の事務連絡には、図書を購入するための経費についても「学校図書館図書整備5か年計画」を策定して地方交付税措置を講じると書かれています。図書整備については、これまで数次におよぶ整備計画が策定されてきました。けれども、文科省が定めた標準冊数にいまだに達していないのが現状です。
文科省は、図書の標準冊数を満たしている学校の割合について、全市町村のデータをホームページに掲載しています。これをみれば、同じ県内でも市町村によって読書環境に大きな差が生じていることがわかるはずです。
地方交付税措置を活用して実際にどれだけの予算を計上するかは自治体の判断次第です。新しい学習指導要領は言語力の向上を重視しており、学校図書館の活用を求めています。
子どもたちにとってよりよい読書環境をつくるため、首長の方々の適切な判断を期待したいと思います。
研究員ブログ