研究員コラム 金子将史 blogtop
2011年12月 1日 21:00


 先週11月25日には自民党「インテリジェンス・秘密保全等検討チーム(座長・町村信孝衆議院議員)」、今週11月30日には民主党「インテリジェンス・NSCワーキングチーム(座長・大野元裕参議院議員)」でプレゼンテーションを行った。


自民党にて(安全保障政策の第一人者田村重信氏に撮影いただきました)
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民主党にて(写真は東日本大震災が発生した2011年3月11日の朝にプレゼンテーションした際のもの)
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 自民党では、2006年6月に町村氏を座長にしたインテリジェンスに関する提言を発表しており、内閣情報分析官制度などのその後の官邸インテリジェンス機能強化のきっかけの一つになった。ほぼ同時期にPHP「インテリジェンス体制の変革」研究会も提言を発表している。今回発足した検討チームは、自民党提言の実施状況をレビューしつつ、現在政府が出そうとしている情報保全法案への対応を検討する模様である。


 民主党のワーキングチームの方は、党の前体制において新防衛大綱のフォローアップとして実施されていたNSC・インテリジェンス分科会が今年7月に出した提言をふまえて、更に議論を深め、新たに提言をまとめていこうとしている。なお民主党では、前の分科会でもインテリジェンスに関して今年3月と7月にプレゼンテーションした。


 秘密保全の弱さは、我が国のインテリジェンス体制の決定的な欠陥の一つであり、それは情報漏えいによる損失をもたらすとともに、国内外の情報組織間の情報共有を限定的なものにする原因にもなってきた。その点を改善するための法整備はぜひとも実現せねばならない。どちらの党でも、ぜひ主要政党の合意の下で情報保全法制を成立させていただきたいとお願いしたところである。


 情報保全の法制化が実現すれば画期的なステップだが、インテリジェンス機能を強化するために必要な改革はそれにとどまるものではない。その点、民主党も自民党も、情報保全法制にとどまらず、インテリジェンス体制を包括的に強化していく視点を有していることは心強いことである。最近国会議員のメール・パスワード流出事件や防衛産業へのサイバー攻撃事件があったばかりでもあり、特に両党ともサイバー・エスピオナージ対応などサイバー問題とインテリジェンスの関連については関心が高いようである。


 政局はかなり流動的であるが、優れたインテリジェンス機能はどの政党が政権をとっても必要なものであり、党派的思惑を超えて超党派的にその強化に取り組んでいただければと思う。