研究員コラム 永久寿夫
2015年5月11日 17:28

 選挙権年齢が18歳以上に引き下げられる見通しである。憲法改正の国民投票の権利が20歳以上から18歳以上に引き下げられるのに、選挙権が20歳以上のままでは不合理ということだ。世間的にはおおむね好評で、今年3月に読売新聞が行った世論調査では、「賛成」が51%で、「反対」の43%を上回っている。賛成の理由に「引き下げによって社会の一員としての自覚を促せる」「少子高齢化の中でより多くの若者の意見を政治に反映できる」がある一方、反対の理由として「まだ十分な判断力がない」「引き下げても投票に行く若者が増えるとは思わない」が上げられている。


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2015年2月 5日 15:00

 「KPI(重要業績評価指標)を設定し、PDCA をきっちり回す」。民間企業においても、口にするのは容易だが、いざ実行となると難しい。それを知りながら、政府や自治体の事業にも導入すべきと、ことあるごとに唱えてきたのは、税金はより効率的・効果的に使われるべきだし、さもなければ財政がもたないという危機感からである。その観点からすると、安倍政権が、「日本再興戦略−JAPAN is BACK−」で政策群ごとにKPIを設定し、それをフォローしていることは、画期的と評価すべきである。これはまた、マニフェスト選挙や「事業仕分け・レビュー」などに対する社会的評価の反映でもある。


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2015年1月 6日 17:27

 昨年末の総選挙は、自公与党が選挙前とほぼ同数の圧倒的多数を獲得する結果となった。来年行われる参議院選挙で「ねじれ国会」となる可能性もなきにしもあらずだが、安倍政権が長期に及ぶとの見方は大方の一致するところであろう。その予想の正否は、どれだけ多くの有権者がアベノミクスの効果を実感できるか、もしくは期待し続けられるかによる。4月に行われる統一地方選挙は、安倍政権に対する有権者の態度をはかる試金石となる。


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2013年10月 7日 15:52

 80年代はじめ、大学生のころ、「太陽の会」というボランティア団体のお手伝いをしていた。主催は作曲家・北村得夫。50代以上ならご存知の「見え過ぎちゃって困るの〜」という某アンテナ会社のCMソングは彼の作品である。その作品のイメージとはまったく異なるが、彼は特殊潜水艇「蛟龍(こうりゅう)」特攻隊の生き残りであった。1945年の夏、呉で出陣前の訓練中、広島に原爆が投下され、現地に派遣された。その時、瀕死の中学生に「なぜ人は殺し合うのか」と問われ、「戦争の原因となるお互いの無理解をなくさねば」と思った。75年に会を設立し、08年に亡くなるまで、私財を投じながら、世界中の子どもたちの相互理解を深めようと、音楽会や絵画展、国際会議などを展開してきた。やなせたかしさんやオノ・ヨーコさんなども顧問団に加わり、一時期は活発に活動をしていたが、いまは開店休業となっている。


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2013年9月 6日 10:07

 東日本の太平洋沿岸で巨大な防潮堤の建設が進められつつある。岩手、宮城、東北の3県だけでも総延長370km、かかる費用は約8200億円。6〜7m程度から15mほどの防潮堤で東北の太平洋沿岸が塞がれることになる。建設に関して国から示されたのが、すぐには壊れない「粘り強い構造」をもつこと。その結果、高さ10mの場合、底幅が43m、断面が台形となり、分厚い壁というよりも、人工的な大きな土手のようなものとなる。大地震と津波であれだけの被害と犠牲を出したのだから、「次」に対して万全の策をとるべきではあるが、これではまるで「万里の長城」であり、違和感を覚える人も少なくないのではないか。


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2013年8月 2日 18:17

 先の参院選の投票率は52.61%と、前回の参院選を5ポイント以上も下回る戦後3番目の低さだった。野党が協力体制をとれないなか、アベノミクスへの期待感を維持する安倍政権の信任投票という色彩が濃かったため、当初から低投票率で自民の勝利と予想する向きが多かった。とはいえ、期日前投票も定着し、ネット選挙も解禁されるなど、投票の負担が減り、PRツールも増えたことを考慮すれば、この数字は大方の期待を裏切るものではなかったか。


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2013年7月 8日 16:08

 母が脳梗塞で倒れて4年が経過した。2度ほど生死の境をさまよったが、いまでは新潟にある介護老人保健施設で元気に暮らしている。これまでにお世話になった方々、そして施設の職員の皆様には心より感謝をしている。もっとも、軽い言語障害と右半身不随という状況は変わらず、車椅子が欠かせない生活である。機会をみつけては母を訪ね、身の回りにあったことなどの話をしたり、施設の外に連れ出しては、いっしょに自然に触れたり、買い物をしたり。時間をつくるのは大変だが、けっこう幸せを感じてもいる。


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2013年6月 3日 16:58

 80年代末から90年代前半のこと、留学先のカリフォルニア大学ロサンゼルス校:University of California, Los Angelesには、その頭文字のUCLAをもじって、University of Caucasians Lost in Asians、 すなわち「アジア人の中に白人が埋もれてしまった大学」と揶揄されるほど、アジア系学生の割合が多かった。同じロサンゼルス市内にある南カリフォルニア大学:University of Southern Californiaは、裕福な家庭出身の学生が多いためか、やはりその頭文字であるUSCをもじって、University of Spoiled Children、すなわち「甘やかされた子どもたちの大学」と揶揄されていたが、これは余談である。


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2013年3月12日 13:40

 米国や韓国はじめ、ITが普及した国々ではすでに当たり前となっているネット選挙が、日本でもいよいよ解禁されそうである。電子メールの送信を政党と候補者に限定する自公案と誰にでも認める民みん案でいささか違いがあるものの、ホームページやブログはもちろん、フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアを活用した選挙運動の解禁について、各党の姿勢は一致している。国会の趨勢を考えれば、自公案で決着するはずだが、政党や候補者以外のものが電子メールで選挙活動を行うのを完全に把握するのは無理であり、いざ選挙が始まれば電子メールも含めた事実上の全面解禁となるだろう。


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2013年2月 4日 16:01

 加藤寛先生の訃報に接したのは2月1日(金)の午後だった。健康がすぐれないというお話をうかがってはいたが、まったく予期せぬ知らせであった。


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