|
|
|


>> プロフィール
政治のカンどころ
「復興財源の確保にスジを通せ」
代表取締役常務・研究主幹 永久寿夫
復興のための財源のあり方について、消費税の時限的増税案が浮上している。被災地の復興支援には10兆円ほどかかると見込まれているが、その費用を「復興債」の発行でまかない、さらに消費税を2012年から14年のあいだ8%に引き上げて、3%分を償還資金に当てようというのである。一見、なるほどとも思えるし、国民の多くも被災地のために力を合せようと増税に肯定的な姿勢をみせてはいるが、よく考えると不可解な点が多々あり、賛成はできない。
復興財源を国債発行に求めるのは財政難のなかにあっては常道であろう。ただし、被災地の経済・社会の再生をはかるために、損壊した道路・架橋・港湾・公共施設などのインフラを再建するのが目的ならば、復興債の性質は建設国債に等しい。つまり、長期にわたって使用する社会資本の整備を行なうのであり、そのコストもまた長期にわたって負担されるべきものである。したがって、中長期的な財源確保は必要としても、わずか3年間で償還すべき性格のものではない。
たしかに、GDPの1.5倍以上も長期債務があるなかでさらなる国債発行を行なえば、わが国財政への不信がいっそう強まって長期金利が上昇し、日本経済は大きな打撃を受ける可能性があるという指摘はもっともだ。だが、政府は財政再建の道筋も示さぬまま、今年度予算ですでに44兆を超える新規国債発行を決めているのである。しかもその大半が現在の経常的費用を補填するための赤字国債である。短期的に償還財源を確保すべきは、後世も恩恵を受ける復興債ではなく、後世にツケを回すだけになる赤字国債のはずである。
いま行われている増税論議は、消費税増税を社会保障財源に当てたいとするものたちが打った布石ではないか。野党はもとより与党からも反対意見が上がっているが、その理由を「消費税増税は社会保障の安定財源として使うべき」とするものが多い。つまり、社会保障のための消費税増税は正当であるという言質をあたえたわけであり、かりに今回の増税を阻止したとしても、社会保障財源の議論が浮上したときには、消費税増税に反対する論理を失ってしまう。社会保障については給付や負担のあり方にさまざまなオプションがあるはず。復興財源と社会保障財源は切り離して議論をすべきである。
何のために使おうと借金はいずれ返さなくてはならないし、足らざるは補わざるをえない。だが、スジが通らぬ仕組みをつくったり、巧妙な駆け引きをしてみたところで、つまるところ財源をひたすら増税に求めるなら誰にでもできる。政治に期待するのは、国民の負担増を最小限に抑えながら、できれば負担の軽減を目指して、財政を健全化させることである。そのためには中長期的な財政健全化のプランを示すとともに、復興については海外も含めた民間資金を投資として呼び込む仕組みを導入することである。復興を経済の活性化につなげるようなアイディアはすでに多方面から出されている。
|
|
PHP地域経営塾 「PHP嚶鳴(おうめい)塾」 【温泉と地域づくり】第2回シンポジウム
健康に対する社会的関心が高まるなかで、地域づくりのために温泉資源をどのように活用すればよいのか。
本塾では、温泉を核にした城下町再生や農村回帰と農産品販路開拓等に戦略的に取り組む竹田市の現地視察を通じて、これからの温泉と地域づくりのあり方について具体策を検討いたします。<有料>
*お申込受付中
【テーマ】『「温泉療養保健制度」と「現代版湯治文化」の創造〜竹田市の実証実験を事例に』
【開催日】
5月25日(金)〜26日(土)
>>詳細ページ
時事コラム
景気動向から見る総選挙のタイミング
政治経済研究センター
主任研究員:宮下量久
社会保障と税の一体改革関連法案が衆議院で審議入りした。消費増税反対を唱える与党内からの声もあり、本法案審議の難航が予想される。野田総理は法案成立に向けて「政治生命をかける」と発言し、国会審議の行方次第では衆議院解散・総選挙も辞さない構えを見せている。総選挙は本当に行われるのだろうか。景気動向からそのタイミングを考えてみたい。
続きを読む
記事一覧
|
|
|