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地域主権型道州制 日本の新しい「国のかたち」

地域主権型道州制を知る

「地域主権型道州制」って何?
PHP『地域主権型道州制』における区域  道州制とは、全国を10程度の道州に再編し、国の役割を主に外交・安全保障などの対外的な仕事に純化し、産業や生活など内政に関わる仕事の大半を道州に移すというものです。
 なかでも「地域主権型道州制」とは、国が内政全般に関与してきた中央集権体制を廃し、国、道州、基礎自治体(市町村)が明確な役割分担のもと、それぞれが独立した権限とみずからの税財源をもつことで、地域が自由で独創的な活動をできるようにするという「新しい国のかたち」を意味します。
 この「地域主権型道州制」は、単なる都道府県合併でもなければ、国の出先機関を統合する国主導型道州制とも異なり、中央政府の解体再編と地域政府の確立を目指すものです。ただし、アメリカのように各州が独自に憲法や軍を持つ連邦制とは違い、現行の日本国憲法の中で実現できる改革なのです。

なぜ地域主権型道州制?
 明治維新以来、わが国は中央集権体制の下で大きな発展を成し遂げてきました。しかし今日では、東京圏だけが繁栄を謳歌し、地方はおしなべて衰退している有様です。しかも、唯一繁栄する東京圏ですら国際的な地位は低下を続けています。このままでは、日本はいずれ経済的にも三流国になってしまう可能性があります。
 これは、東京で中央官僚が画一的に政策を決め、地方を手足として指示し実施させる中央集権体制が制度疲労を起こしていることが根本的な原因と考えられます。中央集権体制のもとでは、受益と負担の関係が見えづらく、ニーズに合わない社会資本整備など多くの無駄と財政赤字を生んできました。
 こうした問題を解決するためには、小手先の制度改正ではなく「国のかたち」を根本的に変える改革が必要です。それが、中央集権体制と訣別し道州それぞれが繁栄の拠点を築く「地域主権型道州制」なのです。地域主権型道州制は、わが国を中央集権型国家から分権型国家に変える「地方分権改革の総仕上げ」であるとともに、官僚主導の社会経済構造を改める「究極の構造改革」としても求められているのです。

12州の域内総生産と各国のGDP

順位 国・州 GDP
(ドル)
順位 国・州 GDP
(ドル)
順位 国・州 GDP
(ドル)
アメリカ 117,334.8 〜 中略 〜 22 オーストリア 2,897.2
日本 52,935.8 15 ロシア 5,827.3 〜 中略 〜
ドイツ 27,066.7 16 オランダ 5,779.9 27 南アフリカ 2,129.0
イギリス 21,255.1 九州 4,957.0 28 ギリシア 2,054.9
フランス 20,180.8 北関東州 4,927.4 北海道 2,047.2
イタリア 16,806.9 関西州 4,333.4 29 フィンランド 1,861.8
中国 16,493.9 大阪特別州 4,027.3 30 アイルランド 1,815.2
カナダ 9,958.3 17 スイス 3,580.0 〜 中略 〜
スペイン 9,929.9 18 ベルギー 3,520.0 33 タイ 1,634.9
東京特別州 7,637.8 19 スウェーデン 3,465.3 34 アルゼンチン 1,519.4
南関東州 7,247.7 東北州 3,437.6 四国州 1,408.1
10 韓国 6,814.7 20 台湾 3,052.0 35 マレーシア 1,177.8
東海州 6,805.6 北陸信越州 3,083.9 36 イスラエル 1,163.4
11 メキシコ 6,765.0 中国州 3,022.7 37 ベネズエラ 1,074.9
12 インド 6,610.5 21 トルコ 3,000.9 38 チェコ 1,070.5

注:各国の数値は2004年暦年、日本の12州の数値は2004年度
出所:IMF World Economic Outlook Database, April 2005 より

中央集権体制の弊害とは?
 国が地方自治体をはじめ民間の活動なども主導する中央集権体制は、戦後の疲弊した日本を経済大国にまで発展させましたが、現在では東京一極集中と地域間格差を引き起こし、地域活性化の限界が露呈しています。これは、全国画一の中央集権的な立法や制度が、地域の住民のニーズに応じた行政サービス、地域の特性に応じた経済政策を行ううえでは障害になっているためです。
 また、現在の中央集権体制のもとでは、国民の目線からは永田町や霞ヶ関は遠すぎます。したがって、何のためにどれくらいのお金が使われているのかについて、国民のチェックが働かず、結果的に効率の悪い公共投資や公共サービスを生じさせ、無駄と膨大な財政赤字をつくる状況を招いています。

なぜ東京だけが繁栄するの?
 東京だけが繁栄する根本的な原因は、中央集権体制のもと、政府が主導して産業振興を行うために、人・モノ・金・情報を東京に集中させる政策がとられてきたためです。
 日本の企業は約162万社ありますが、そのうち17%が東京に集中し、また、売上高トップ100社のうち実に71社が、さらには上場企業の47%が東京に本社を置いています。大学生の数を見ても、全国283万人のほぼ4分の1に当たる69万2千人が東京に集まっています。
 こうして、東京にビジネスや教育のチャンスが集中すると、必然的に人が集まり、またそれが新たなチャンスを生むという好循環が生まれます。そしてこのことが、東京に人をとられる地方は衰退し、地域格差を生じさせる原因となっています。
 また、中央集権による東京一極集中は様々な官僚統制によって成り立っているため、国際的なビジネスの拠点としては敬遠され、東京の国際的地位は低下を続けていることも忘れてはなりません。

なぜ「地方分権」ではダメなの?
 地方分権では、「分権」(権限を分けあたえる)という言葉が示すように、「中央」である国と「地方」である自治体との間に上下関係、親分子分の関係があるという印象をぬぐいきれません。言ってみれば、これまで行われてきた地方分権は中央集権の中での微調整に過ぎないのです。
 現在の自治体は、たしかに新しい動きはありますが、長い間の中央集権体制のなかで自主・自立の気概、自主責任、意欲をなくし、もてる力を十分に発揮しきれずにいます。
 したがって、「地域」がその役割領域においては中央政府に支配されない「主権」をもっていることを示すために、単なる地方分権の延長線上ではなく、「地域主権」という考え方に立脚した新しい国のかたちとして「地域主権型道州制」と呼んでいるのです。

地域主権型道州制で何がどう変わる?
 国からのコントロールを排し、地域が独立したかたちでその役割領域の事項については決定できるようにすることで、地域住民の生きがいや満足感が生まれると同時に、地域のニーズや特性に応じた行政サービスや経済政策が行えるようになります。
 たとえば、法人税率を他の州よりも下げて企業を呼び込むなど、これまでは不可能だった取り組みができるようになります。こうした努力を重ねてある州が成功すれば、それに刺激を受けて他の州も頑張るという「善政競争」が行われるようになり、その結果として、全国各地に繁栄発展の拠点が生まれ、東京だけではなく、日本全国が元気になることが期待されます。

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